映画『マルモイ ことばあつめ』について
韓国ドラマにハマってから、映画も気に入った俳優さんの出ている映画ばかり見ています。
ちなみに主人公のユン・ゲサンがでているので見ました。
子どもにお勧めできる映画は少ないのですが、これは良いと思います。
1940年代日本の統治下にあった京城を舞台に、消えつつあるハングルの辞書を作ろうと紛争した人たちの物語です。
朝鮮が日本政府による統治下に置かれていた時期の最後の数年は、
言語統制が厳しかったらしく、学校教育も日本語で行い、日本風の名字を使うことが
奨励されていたようです。どこまで現実に基づいているかは分かりませんが、
この朝鮮語学会の人々が民衆を集め、辞書を作るための集会を開くのも
政治的な集会とみなされ、日本政府による弾圧にあう場面も描かれています。
日本と韓国の関係性等について書くのは、省かせていただきますが、
文化の最も重要な一部分である言葉が消えていくことになったら、
どうか、ということ等から子どもが両国の関係性を考えるきっかけになれば
良いのではないかと思います。
何冊か日本と韓国の関係について読んだ本によると、
確かにこの時代、日本統治下にあったので日本語使うようにしたが、日本政府による
学校制度の普及で識字率が上がったり、名字については韓国では名字が少なく、
同姓同名の人が多いため、日本風に名字を二文字にすることでバリエーションを
増やして、個人を分かりやすくする目的だった、等との記載もありました。
日本により近代化が進んだ部分もあったらしいですが、
私は高校世界史は選択しなかったので、中学の歴史の範囲だとこの時代については
教科書の半ページ程の記載しかなく、正直実際どのようだったかよく分かりません。
ただ、世界の植民地になったことのある国は、公用語がヨーロッパの言葉になって
いると思いますが、それはどういうことなのか、肌感覚で感じられる映画かなと
思います。
アジアでもベトナムは文字をローマ字にしたので、旅行しても看板など読みやすい
ですが、タイはタイ語を残したので外国旅行者には非常にわかりづらいです。
国際化という観点からすると多くの人が理解できるのはよいことでしょうが、独自の文化という観点と文字がなくなるのは大きいことです。
言語を翻訳しても、同じ概念に訳せないような言葉がありますが、
言葉がなくなるときその概念・精神までもなくなるのか?等。
韓国語を勉強していると、日本由来の言葉が非常に多くて驚きます。
言語は大陸から伝わったとばかり思っていましたが、中国からきた言葉から
日本語ができ、それが韓国語にも影響を与えているんですよね・・・。
日本人、かなり昔にひらがなを発明したというのが画期的。
意味を表す言葉と音を表す言葉が両方あるのが便利です。たくさん覚えなければなりませんが・・・。