映画『風と共に去りぬ』について
久しぶりの更新です。
受験を控えた子どもが世界史の勉強がてら、息抜きに見る映画を・・・とのリクエストで、一緒に『風と共に去りぬ』を見ました。
この映画を見たのは、中学時代だったかな?金曜ロードショーか何かで二週に渡ってみた記憶があります。
アイルランドからの移民の父が一代で築いた大農園の娘、スカーレット・オハラは戦争に巻き込まれ生きるために自ら農作業をしたり、時にはお金のために結婚したり、自ら材木屋の経営をしたりと必死に生きていく。三度の結婚をするが、初恋のアシュレーが忘れられず・・・・。
マーガレット・ミッチェルの長編小説が原作のため映画も4時間近くありますが、展開が早くて飽きさせません。
スカーレット・オハラがなかなかの人物で、口八丁手八丁というのかそこが見ていてとても面白いです。勇敢?強気?なのに長々初恋の人を忘れられないのですが、今の基準でいうと登場する男性陣もかっこいいのかどうか理解不能で、何が良くてそんなに思い続けたのかあまり共感できませんでした。
昔の映画だからか、子どもに見せたくないようなシーンもありません。
ちょっとしたキスシーンくらいです。
この映画は、勉強云々というよりはとにかくスカーレット・オハラが面白いのでお勧めです。
戦争のことを細かく描いているわけではありませんが、戦時下での人々への混乱した暮らしや南部同盟が敗北して人々の暮らしがどう変わっていったかが分かると思います。
名作ですし、時間があるときにじっくり見てください。。
映画『マルモイ ことばあつめ』について
韓国ドラマにハマってから、映画も気に入った俳優さんの出ている映画ばかり見ています。
ちなみに主人公のユン・ゲサンがでているので見ました。
子どもにお勧めできる映画は少ないのですが、これは良いと思います。
1940年代日本の統治下にあった京城を舞台に、消えつつあるハングルの辞書を作ろうと紛争した人たちの物語です。
朝鮮が日本政府による統治下に置かれていた時期の最後の数年は、
言語統制が厳しかったらしく、学校教育も日本語で行い、日本風の名字を使うことが
奨励されていたようです。どこまで現実に基づいているかは分かりませんが、
この朝鮮語学会の人々が民衆を集め、辞書を作るための集会を開くのも
政治的な集会とみなされ、日本政府による弾圧にあう場面も描かれています。
日本と韓国の関係性等について書くのは、省かせていただきますが、
文化の最も重要な一部分である言葉が消えていくことになったら、
どうか、ということ等から子どもが両国の関係性を考えるきっかけになれば
良いのではないかと思います。
何冊か日本と韓国の関係について読んだ本によると、
確かにこの時代、日本統治下にあったので日本語使うようにしたが、日本政府による
学校制度の普及で識字率が上がったり、名字については韓国では名字が少なく、
同姓同名の人が多いため、日本風に名字を二文字にすることでバリエーションを
増やして、個人を分かりやすくする目的だった、等との記載もありました。
日本により近代化が進んだ部分もあったらしいですが、
私は高校世界史は選択しなかったので、中学の歴史の範囲だとこの時代については
教科書の半ページ程の記載しかなく、正直実際どのようだったかよく分かりません。
ただ、世界の植民地になったことのある国は、公用語がヨーロッパの言葉になって
いると思いますが、それはどういうことなのか、肌感覚で感じられる映画かなと
思います。
アジアでもベトナムは文字をローマ字にしたので、旅行しても看板など読みやすい
ですが、タイはタイ語を残したので外国旅行者には非常にわかりづらいです。
国際化という観点からすると多くの人が理解できるのはよいことでしょうが、独自の文化という観点と文字がなくなるのは大きいことです。
言語を翻訳しても、同じ概念に訳せないような言葉がありますが、
言葉がなくなるときその概念・精神までもなくなるのか?等。
韓国語を勉強していると、日本由来の言葉が非常に多くて驚きます。
言語は大陸から伝わったとばかり思っていましたが、中国からきた言葉から
日本語ができ、それが韓国語にも影響を与えているんですよね・・・。
日本人、かなり昔にひらがなを発明したというのが画期的。
意味を表す言葉と音を表す言葉が両方あるのが便利です。たくさん覚えなければなりませんが・・・。
映画『エクストリームジョブ』について
★★★★☆
かなり久しぶりの更新です。
私が韓国ドラマにハマってしまい、映画はそれほど見ていなかったので
更新する材料がありませんでしたが、韓国の俳優さんを追いかけている
過程で見たい映画を何本か見たので、ご紹介します。
『エクストリーム・ジョブ』は、かの『パラサイト』が公開された年
韓国では、『パラサイト』を抑え、興行収入1位だったそうです。
内容は、警察の麻薬捜査班(実績が最低)が国際犯罪組織を見張るため
すぐ近くにチキン店を開店させるが、予想外に繁盛してしまい・・・
というコメディーです。
韓国映画なので、アクションシーンなどで暴力的なシーンはありますが、
許容範囲かな。性的なシーンはありません。
テンポよく、コミカルなストーリーが展開されて楽しめます。
警察の仕事とチキン屋の仕事のどちらが本職か?等と悩むところが
面白く、何かを学ぶためではなく、楽しくみられる映画かと思います。
私は好きです。
映画『シークレット・ミッション』について
おすすめ度★★★★
キム・スヒョン主演のスパイ映画です。
面白かった~。二回観ました。
パラサイトもそうでしたが、前半コミカルなシーンも多く、笑いながら見ていたのにいつの間にか緊迫した場面が入ってきて、最後めちゃくちゃ凄惨で悲しい終わり方。
住まわせてもらっていた雑貨やのおばあさんの家を出ていく辺りや、最後の雨の中の廃墟マンションの屋上でのシーンで韓国での生活を回想するシーンは泣かされました。
もう本当に号泣でした。そんなつもりで観たんじゃなかったのに、っていうくらい泣いちゃった。
緩急の付け方がすごい。
スパイの境遇を考えたら本当にやるせない気持ちになったし、北朝鮮という国家、同じ民族が二つに分かれることになってしまったこと、隣の国なのに自由に行き来できない国と接している韓国。
文化は似た部分もあるし、日本の隣の国ですが、韓国は韓国で日本人があまり考えていないような状況があるんだなぁとしみじみ思いました。
それから、この映画の見どころは、コミカルなシーンとそうでないシーンの両方を演じ分けるキム・スヒョンの演技力。
素晴らしいすぎる!キム・スヒョンの出演作でこれが一番好きかも。
最近のネットフリックスの『サイコでも大丈夫』もよかったし、『プロデューサー』も大好きなドラマですが、どの出演作でもキム・スヒョンでなく、その役が実在の人物のように見えるし、一つ一つの表情に心を揺さぶられます。
この映画で学べることは、韓国は北朝鮮との関係もありスパイも身近な存在なんだなってことや、家族や身近な人の普通の生活のありがたさです。
映画は娯楽として成立していますが、一歩下がっていろいろなことが考えられる映画だと思いました。
子どもを見なければ★6つくらいあげたいのですが、最後のシーンが凄惨すぎるので★4つで。
映画『ミッドナイトランナー』について
おすすめ度 ★★★☆☆
韓国の警察学校に通う二人がとある事件に遭遇し・・・という内容です。
子どもに教育的内容というよりは、バディものとして娯楽で観る方が
良いと思います。
梨泰院クラスのパク・ソジュンと椿の花咲く頃のカン・ハヌルの二人のコンビのキャラ設定がいいです。
最初の10分くらいでストーリーに引き込まれますよ。
その辺すごくうまいです。
この映画で学べることは、韓国の警察学校とはどんなところか、韓国の街の様子、世界中どこでも家出少女は危険な目に遭う可能性が高い、等でしょうか。
性的な表現は気になるところはありませんが、遭遇する事件の内容が悪徳産婦人科が、闇の組織と組み、家出少女にホルモン剤を投与して卵子を大量採取したものを有名女子大生の卵子だと偽って高く妊娠を希望する夫婦に売りつけている、というものなんです。ディープですよね。
その捕まえてきた家出少女を拉致しておく廃墟のコンクリートむき出しの床にぐったりした女の子が横たわっているところや、その後のギジュン&ヒヨルと暴力団の殴り合いやつかまってつるされているところのシーンは、かなり暴力的で目を覆いたくなるようなところも多かったです。
これは韓国ドラマ・映画のあるあるかもしれませんが、日本の映画ではここまで描かないくらい殴り合い、血だらけになって、もう死んだ?と思ってもまだまだ殴ります。
そこさえクリアできれば、全体的にはテンポよく話が進み、教官等の描き方もよく、韓国で大ヒットしたというのも納得の映画です。
ちなみに家出少女が働いているお店が膝枕で耳かきしてくれる店なのですが、壁に『日本式』って書いてあって、変なものが韓国に輸出されている・・・と思ってみていました。
日本でリメイクしたドラマも最終回だけ見てみましたが、全くの別物ですね。
二人が解決しようとする事件の内容がいじめがらみで、さらに教官やその娘がその犯人なんですよね。でも警察官が犯罪起こすことやそれが分かった後での主役の二人の反応が、全く共感できないもので、がっかりでした。
ある程度納得できるストーリーでないと、いくら俳優さんが頑張っても面白いドラマにはならないですよね。
韓国ドラマ『梨泰院クラス』に見る女性の社会進出について
私は韓国ドラマを見たのがこれが初めてです。
感想について何回かに分けて書いていこうと思います。
まず、韓国社会の女性進出について。
ドラマの中でキーとなる女性は何人かいますが、まず長家のカン専務。
長家はカン専務のお父さんと張デヒが創業したので、カン専務は創業者の娘ということになりますが、専務の座についています。
美人で洗練されていて仕事もできそうなので、創業者の娘に+して実力も人望もありそうですが、日本ではなかなかこの設定でこのポジションに女性はこないのではないでしょうか。
韓国ではナッツ姫にしても、親が有力者であれば子どもは女であっても、出世できるんでしょうね。
大統領も既に女性がでているわけですから、日本より社会進出は進んでいるんですよね。
そして、スア。
スアは親と離れて児童養護施設で暮らし、長家から奨学金をもらって大学に行き、長家に就職するのですが、その中では努力して企画室長の位置に昇りつめます。
企画室って日本だったら、かなりの花形ポストですよね。
すごいです。
ただ残念なのは、物語の初めの方では、「人に頼らず自分の力で生きる!」という意思の強さが、最後の方ではセロイに「家も車も、誰にも頼らない生活も手に入れたけど、むなしい・・」と話す場面があるところです。
セロイに待たされすぎたからでしょうか。
15年ですもんね。そう言いたくもなるか(笑)
もともとセロイは、スアの強いところが好きになったと思うので、スアが弱気になっていったところ辺りから、気持ちがイソにいってしまったのかな。
逆かな。
セロイの気持ちがイソにいっているのを感じ取ったから弱気になっていったのか・・。
話が逸れましたね。
そして、一番はチョ・イソです!
イソはIQ162のソシオパスですが、大学に行かずタンバムに入ってタンバムの成長に大きく貢献していきます。
20歳でありながら、店舗のインテリアデザイン・従業員の教育・効率よいメニュー・従業員のウエア等何から何まで手を入れて、おしゃれな店に仕上げ、さらにSNSでの宣伝してお客様をよびこむ。
セロイの夢をかなえるために自分の全精力をかけてタンバムの経営をします。
こういった若くて能力があって強い女性を、ドラマの中とはいえ描けるのが、韓国なんだな~ととても感心しました。
イソが自分の母親に「私は思っている以上に有能よ」というシーンがありますが、その自信が最高にいいです。
長家の社外取締役の選出の際、イ・ホジンが「イソは能力はあるけど、若い。長家の株主は保守的な考えの人も多いから、そこがネック」と言う場面があります。
そこにも女性、ということがハンデになっている雰囲気はありませんね。
先月観た映画で、『七つの会議』が企業の不正等を描いていました。
池井戸潤原作ですが、この映画で重役会議も社内会議もほぼ男性です。
キーとなる女性社員は、ただの事務員で、不倫相手がいつまでも奥さんと別れないことに嫌になり、会社をやめようとするが、最後に何か会社に貢献したいとすることが、残業で食事がとれない社員のために社内に無料のドーナツ販売所を開く、なんです。
なんかやることが小さい。
日本のドラマも重要なポストに女性が入ってきたらもっと複雑に、そして幅がでて、面白くなるのになぁと思いました。もちろん、実社会でもですね!