韓国ドラマ『梨泰院クラス』に見る女性の社会進出について
私は韓国ドラマを見たのがこれが初めてです。
感想について何回かに分けて書いていこうと思います。
まず、韓国社会の女性進出について。
ドラマの中でキーとなる女性は何人かいますが、まず長家のカン専務。
長家はカン専務のお父さんと張デヒが創業したので、カン専務は創業者の娘ということになりますが、専務の座についています。
美人で洗練されていて仕事もできそうなので、創業者の娘に+して実力も人望もありそうですが、日本ではなかなかこの設定でこのポジションに女性はこないのではないでしょうか。
韓国ではナッツ姫にしても、親が有力者であれば子どもは女であっても、出世できるんでしょうね。
大統領も既に女性がでているわけですから、日本より社会進出は進んでいるんですよね。
そして、スア。
スアは親と離れて児童養護施設で暮らし、長家から奨学金をもらって大学に行き、長家に就職するのですが、その中では努力して企画室長の位置に昇りつめます。
企画室って日本だったら、かなりの花形ポストですよね。
すごいです。
ただ残念なのは、物語の初めの方では、「人に頼らず自分の力で生きる!」という意思の強さが、最後の方ではセロイに「家も車も、誰にも頼らない生活も手に入れたけど、むなしい・・」と話す場面があるところです。
セロイに待たされすぎたからでしょうか。
15年ですもんね。そう言いたくもなるか(笑)
もともとセロイは、スアの強いところが好きになったと思うので、スアが弱気になっていったところ辺りから、気持ちがイソにいってしまったのかな。
逆かな。
セロイの気持ちがイソにいっているのを感じ取ったから弱気になっていったのか・・。
話が逸れましたね。
そして、一番はチョ・イソです!
イソはIQ162のソシオパスですが、大学に行かずタンバムに入ってタンバムの成長に大きく貢献していきます。
20歳でありながら、店舗のインテリアデザイン・従業員の教育・効率よいメニュー・従業員のウエア等何から何まで手を入れて、おしゃれな店に仕上げ、さらにSNSでの宣伝してお客様をよびこむ。
セロイの夢をかなえるために自分の全精力をかけてタンバムの経営をします。
こういった若くて能力があって強い女性を、ドラマの中とはいえ描けるのが、韓国なんだな~ととても感心しました。
イソが自分の母親に「私は思っている以上に有能よ」というシーンがありますが、その自信が最高にいいです。
長家の社外取締役の選出の際、イ・ホジンが「イソは能力はあるけど、若い。長家の株主は保守的な考えの人も多いから、そこがネック」と言う場面があります。
そこにも女性、ということがハンデになっている雰囲気はありませんね。
先月観た映画で、『七つの会議』が企業の不正等を描いていました。
池井戸潤原作ですが、この映画で重役会議も社内会議もほぼ男性です。
キーとなる女性社員は、ただの事務員で、不倫相手がいつまでも奥さんと別れないことに嫌になり、会社をやめようとするが、最後に何か会社に貢献したいとすることが、残業で食事がとれない社員のために社内に無料のドーナツ販売所を開く、なんです。
なんかやることが小さい。
日本のドラマも重要なポストに女性が入ってきたらもっと複雑に、そして幅がでて、面白くなるのになぁと思いました。もちろん、実社会でもですね!