映画『シンドラーのリスト』について
おすすめ度★★★★★
歴史を知ることは大切です。是非観ていただきたい一作です。
スティーブン・スピルバーグ監督作品で、アカデミー賞受賞作なので、大人は観たことがある方も多いでしょうか?
時代は1939年から始まり、ドイツで居住区を制限され、戦争の激しさと共にユダヤ人への迫害が激しくなっていく様子が描かれています。
ナチスドイツにより600万人のユダヤ人が殺害されたそうですが、巨大な権力の前にあっても、なんとか自分のできることでユダヤ人を救おうとしたのがシンドラーです。
日本の中にいると民族問題に触れる機会が少ないかもしれませんが、こうやって映像で観ることでいかに理不尽なことが行われてきたかを実感を持って知ることができると思います。
殺戮のシーンは非常に多いのです。また、ベットシーンもあります。
小学生には少し難しいかもしれませんが、個人的には小学生の時に読んだ‘アンネ・フランクの日記’もとても心に残っているので、高学年~観てほしいです。
そして、最後のシンドラーのスピーチは、子ども達にも心に刻んでほしいです。
映画『Fukushima 50』について
おすすめ度★★
原作本を読んでいたので、映画も観てみました。
原作は小説ではなく、原発事故当時に現場にいた人や吉田所長の周りの人に取材した内容をまとめたものです。
どうしても原作本と比較してしまいますよね。
原作本では、吉田所長はいつも温厚でユーモアがある人格者ですが、映画では感情的にどなるシーンばかり目につきました。
東電の本社のお偉いさんや総理も、現場のことが分からないのに余計な口出すというような描かれ方。吉田所長や伊崎は実名ですが、それ以外の人物は匿名なので、脚色してあるという意味なのでしょうが、悪意が感じられます。
ネット記事で菅直人さんと交流のある方が、この映画は、いくら映画とは言え実際の菅直人の人物像とかけ離れている、菅さんは東工大出身なので全く技術のことを理解できないような人ではない、というようなことを書いていました。その気持ち分かりました。
原作本では、原発事故当時現場にいた作業員と東電社員がどのような行動をとったかを丁寧なインタビューで分かりやすく書いていますし、その行動によって本当に最悪の事態は免れたことも書かれています。
その時考えられる最善の措置を淡々と行い、それぞれの心に様々な思いはあったかもしれませんが、感情的になることなく現場の対処にあたった、後から振り返ってその時こうだった、ということは載っていましたが、映画では『その場にいる人の感情のぶつかり合い』が多くて、違和感を覚えました。
子ども達も2011年は全員が小学生以下だったので、改めて原発事故についても知ってほしいと思いましたが、描き方が・・・。
ただ、映画.comのレビューを見ると、あの事故に際し名もなき作業員が日本国民のために危険を顧みず対処してくれたのが分かった、というようなことが書いてる人も結構いるので、そのように受け取れればいいのかとは思います。
この映画を観るよりは、原作本を読むことをお勧めします。
映画『エール!』について
おすすめ度★★★★★
泣きました! 観てよかった。
高校生の女の子が自分のやりたいことと家族の狭間で悩みながら、前に進んでいく物語です。
家族愛・友情・恋愛・自立といろいろな要素が入っています。
フランスの農村の美しい風景と、フランス語の歌が心に響きました。
暴力シーンは皆無ですが、
性的ことを匂わせるシーンやセリフはたくさんあります。
フランスと日本では性的なことの捉え方が根本的に違うのでしょうね。
ここのところ見た3本のフランス映画(“セラヴィ”“シンク・オア・スイム”“最強のふたり”も、日本の映画やテレビにはなかなか出てこないようなセリフが出てきます。
この主人公の両親もとてもお盛んな様子で仲良し。
主人公が高校の発表会で歌う歌も、激しい愛の歌!こんな歌詞で大丈夫?
って日本人だと思ってしまうのでは?
子どもと一緒に見ていてどうなんだろ?!と思うシーンも多いのですが、
性教育ということで、中高生以上におススメです。
ボーイフレンドや音楽の先生の距離感もとてもいい。
是非観てみてください!
映画『デスノート』について
おすすめ度 0
息子のセレクトです。
人気の作品なので期待して観ましたが、中盤以降全く面白くありませんでした。
デスノートを拾って、初めのうちは犯罪者のみを書いて殺していましたが、FBIが自分を捜査していると分かった時から、保身のためにFBIの捜査官の名前を書いて殺してしまいます。
法治国家なので罪を犯した人は法で裁かれるべきで、直接手を下すのは論外なのですが、百歩譲って犯罪者を殺すのはまだストーリーとしてはあると思いますが、その後の展開は全くもって理解に苦しみます。
何故唐突にFBI?
何故主人公が捜査の対象になったのか?
ノートに書いただけで殺人罪に問われるとは思えないから逮捕できない、
ノートはちぎって使ってもいいの?
何故彼女も殺したの?
映画の終盤になるとただのサイコパスです。
教育的に全く見どころのない映画です。
教育的に見どころがなくても、いい映画もありますが、それにも該当しません。
漫画が12巻のところを短くしすぎて、エピソードを端折りすぎたのでしょうか。
今まで見た映画の中で最も見なくてよい映画です。
映画『ちはやふる 上の句』について
映画『チアダン』について
おすすめ度★★
娘のセレクトです。
チアリーディングとチアダンスって違うんですね。
青春部活もので、初めは出来たばかりで初心者だらけ部活だったのに、練習の末勝ち上がって遂に・・・というようなストーリーです。
家族で観ていても問題となるようなシーンはありません。
ストーリーはありきたり、実話に基づくとはいえ出来すぎです。
天海祐希がスパルタ先生役なのも、見飽きましたよね。
というわけで、すごく暇な方は観てください。
日本の中高生をターゲットにした映画って、部活の映画がやたらと多いんですよね。
青春って部活の中にしかないのかしら。
映画『最強のふたり』について
おススメ度★★★★
こちらの映画は、ネット上で高評価なので観てみました。
パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった大富豪の男と、介護役として男に雇われた貧困層の黒人青年の話です。
フランス映画独特の感覚がそこかしこに感じられます。音楽とパリの街並みがとても美しいです。
介護役の青年の自由さがやや行き過ぎ感もありますが、月日を重ねるうちになくてはならない存在になっていきます。
‘こんな夜更けにバナナかよ’は、自由奔放な障がい者の話でしたが、こちらは自由奔放な介護人の話、と言ったところでしょうか。どちらも主人公は、電動車いすを使用しているかなり身体的不自由な人物です。
どちらの映画も、体に障がいのある人の状況や感情、こうあるべき!というのをそれ以外の人が決めつけてしまうことによって、障がい者の生きる幅が狭められてしまっている側面を描いています。
眠れない主人公を夜中にパリの街に散歩に連れ出すシーン、とてもよかったです。
障がい者の介護をしている人で、夜中に外に連れ出すという発想をする人なかなかいないでしょう。でも、障がいがなかったら、眠れないとき夜の街を散歩して開いているカフェに入る、そんな過ごし方もあるよなぁ・・と。
障がい者の性についても触れている部分もあります。
性的なシーンはありませんが、セリフではちょこちょこ性的なことがでてきます。
末っ子に意味を聞かれて答えづらい内容もありました。
暴力的なシーンはありません。
全体的な感想としては、ユーモアあり、考えさせられるものもあり、ネット民の高評価も十分理解できる映画です。
中高生以上におススメです。